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ぼ、ぼ、ぼくらは中年探偵団。

国内法の整備がなされないままのハーグ条約批准に反対します。

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子どもに会えるかどうかは国内法の問題です

外務省は、岡田外相のハーグ条約批准の方針を受けて動きをはじめています。
昨年の12月1日に、「子どもの親権問題担当室」を設置し、フランスとの間に協議会を作ったと発表しました。

しかし、しかし、ここに立ちはだかるのは「国内法の不備」の壁です。
ここで言うのはハーグ条約実務のための国内法(国際離婚ケースのみに関係する)ではなく、広く離婚後の親子の面会交流に関する法律がないということです。例えば、自分の子どもに会えないフランス人のお父さんが日本政府に面会交流の仲介を期待しても、日本国の公務員は法律の裏付けがなければ、相手の家に電話一本かけることもしないでしょう。そういった行動は、フランス大使館や民間の仲介機関がやってくださいと言うなら今までと同じです。

この現実を知ったら、外国人当事者たちは憤激するでしょう。いったいいつになったら子どもに会えるのかと・・ でも、国際離婚のケース(それもハーグ批准国で圧力をかけてくる国)に限って会わせるような援助をするとしたらおかしな話です。日本国民の会えない親子に対して政府が何もしないのに、アメリカ・フランス・カナダなどの欧米各国の親たちに対してだけ優遇するのですか?

日本から外国へ子どもを連れ去られたケースに対しても、現地の日本大使館は相手の家へ安否確認の電話一本してはくれません。先日、外務省を訪ねた際には逆に「なぜそうする必要があるのか」と問われました。他国の大使館の対応と比べてあまりにも冷たいと言いましたが、その根拠にはやはり国内法の違いがあるのだとこの問題に理解のある民主党の議員に指摘されました。国内で会えない親子に対して何もしていないのだから、大使館がやるべきではないということのようです。

すべては日本の国内法の問題です。子どもに会えない外国人親たちは、面会交流を重視した法律を持つ自国の大使館から理解と援助を得られるだけ私たちよりマシなのではないでしょうか。政府が国内法整備をしないまま、ハーグ条約実務のための法律だけ作って条約批准なんかしたら、日本全国の子どもを連れ去られて会えない親たちは訴えるべきでしょう。自国民を差別することですから。
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Tokyo Street Protest 6/20/10

6月21日TBSニュースより

「共同親権」制度化など求めデモ行進

父の日の20日、離婚で会えなくなった子どもとの面会交流の制度化などを求める外国人や日本人の親らが東京・渋谷でデモ行進を行いました。
 「世界の常識だ!共同親権は世界の常識だ!」
 デモ行進を行ったのは、離婚によって親権を失い子どもと会わせてもらえなくなったという親ら、およそ50人です。

 日本では、離婚の後に父親か母親のいずれかが子どもの親権を得る「単独親権」制度をとっていますが、欧米では両親がともに親権を持つ「共同親権」が基本となっています。このため、日本人の妻に子どもを一方的に連れ帰られて会えなくなったとしてトラブルになるケースが後を絶ちません。

 「日本政府はもう20年も『この問題を研究している』、『検討中です』と繰り返しています。正直、彼らに結論を出す気があるのかわかりません」
「(子どもを会わせない)元妻を非難しているのではない。(単独親権という)制度こそが私たちの敵なのです」(外国人参加者)

 この問題では、アメリカやヨーロッパの国々が日本政府に対し、子どもの返還や面会の請求ができる国際条約「ハーグ条約」に加盟するよう求めるなど、国家間の問題にも発展しています。(21日02:31)



Street protest for Joint Custody and the Hague, a.k.a., Happy Fatherless Day March (6/20/10). A group of 50 to 60 left-behind fathers, mothers, and friends assembled in Shibuya, Tokyo, and marched through the center of town, carrying banners and picket signs and raising our voices loudly to urge Japan to establish Joint Custody for parents upon divorce and for the country to sign the Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction. Japan's legal system inexplicably awards "shinken" (i.e., parental rights) to only one parent upon divorce. In addition, as the only G-7 country not to sign the Hague Convention, Japan has become world famous as a haven for kidnappers, and has never required any of its nationals who have engaged in parental child abduction to return kidnapped children to the countries in which they grew up.

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米国務次官補が千葉法相に要請

ハーグ条約加盟へ法整備を=米国務次官補
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010061800454

 キャンベル米国務次官補は18日午前、法務省で千葉景子法相と会談し、国際結婚の破綻(はたん)に伴う子供の連れ去りの解決ルールを定めた「国際的な子供の奪取に関するハーグ条約」の早期加盟に向け、国内法整備に取り組むよう要請した。
 キャンベル氏が「(日本に連れて行かれた)子供に会えなくて困っている人たちがいる。何か大きな枠組みができないだろうか」と述べたのに対し、法相は「日本の司法制度との調整もある。真剣に検討している」と答えた。(2010/06/18-12:49)

朝日放送「ニュースゆう+」 6・8




アメリカから子どもを連れ帰ることができない滝川さん(仮名)

民法改正なきハーグ条約批准」をオバマに約束するな!

「民法改正なきハーグ条約批准」をオバマに約束するな!
2009年11月13日(金) 冷泉彰彦(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。

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 9月30日と10月2日のエントリでお話した、国際離婚に関わる親権争いですが、今回のオバマ訪日の際に何らかの動きがあるかもしれません。というのは、子供を強制的に連れ出そうとして福岡県警に逮捕されていた父親のクリス・サボイ元容疑者が色々発言を始めているからです。サボイという男性は、いつの間にか不起訴処分になっていて、アメリカに帰国していたのです。そのサボイ元容疑者は、こともあろうにオバマ大統領が日本行きの専用機に乗り込む数時間前に、現在のエイミイ夫人と一緒に12日の朝にCNNの「独占インタビュー」に応じていました。

 詳しくは一カ月半前のエントリを参照していただきたいのですが、クリス・サボイという男性は14年間連れ添った日本人の元奥さんと離婚してアメリカ人女性と再婚する際に「共同親権」を維持したいために「元妻と子供たちを騙すようにしてアメリカに引っ越させ」た、報道を総合するとそう理解ができます。そこで離婚裁判をやって共同親権を手に入れ、同時に子供たちと元妻がテネシー州に住まわせていたのです。恐らくは屈辱的な生活にガマンできなくなったと思われる元妻が2人の子供と日本に帰国すると、テネシー州当局に告発して元妻に対して誘拐罪と逃亡罪の逮捕状を出させてもいます。更に、サボイ元容疑者は母子の暮らす福岡県柳川市に乗り込んで、子供をタクシーに乗せてアメリカ領事館に駆け込もうとして逮捕されたというわけです。

 この事件に関しては、当初は同じように「子供を日本に連れ帰られた」アメリカ人の父親や支援者たちがデモをしたとか、米国大使館から厳重な抗議が来たとかいう「ガイアツ」があったようですが、同じCNNによればサボイ元容疑者自身が日本に帰化していた、つまり日本人家族の国内問題であることから、米国国務省は一時期は静観の構えになっていたように見えました。ですが、その後も一部報道によれば、アメリカの上院議員22名が署名して(これは大変な権力の誇示です)抗議するなど、断続的に日本政府に圧力がかかっていたようです。

 このオバマ訪日直前のサボイ夫妻の「独占インタビュー」では、サボイ元容疑者は「私は釈放されたが、子供を奪還する見通しは全く立っていない。日本では親権は一方の親に行く制度となっており、戦前は父親側が、戦後は母親側が親権を取るのが主流で(このあたり、日本のことをかなり研究しているようです)親権のない方の親には面会権が確保されていない。私に関しては、逮捕拘禁された期間は、「ダイヨウカンゴク(代用監獄)」制度の下で弁護士の接見が制限される中、24時間照明のある劣悪な環境で尋問を受けた」とペラペラと喋っていました。エイミイ現夫人も「夫は(拘禁された経験のために)PTSDに苦しんでいます」などと「怒りのコメント」を加えていました。(取り調べの可視化のためにも私は代用監獄制度には反対です。こういう人物に批判されないためにも、一刻も早く「近代化」すべきだと思います)

 この問題ですが、もう一度確認をしておきますと、1980年に発効した国際離婚における親権の実行を定めた「ハーグ条約」に日本が加盟していないことが背景にあります。ハーグ条約では、離婚裁判の決定に反して子供を連れ去った場合は、国際間で子供を居住国に戻すことを定めています。

 ですが、日本の場合は、このハーグ条約の前提となる親権の考え方で、諸外国とは全く異なる制度となっているのがネックなのです。日本の場合は法制上、(1)子供の親権は一方の親が持つ(共同親権の制度がない)、(2)親権のない親の面会権が十分保証されていない(親権のある方の親が拒否すると強制できない)、(3)養育費の支払いが遅滞した場合に財産を差し押さえられない、という問題があります。これに加えて慣習上、(4)親権のない方の親が再婚した場合は面会権を放棄する、(5)余程の事がない限り母親の親権が優先される、といった暗黙のルールが存在します。これでは、ハーグ条約を批准することはできません。

 サボイ元容疑者が不起訴となって釈放され、今回のオバマ訪日にあわせて大々的にCNNでキャンペーンをはじめたということは、もしかすると鳩山首相=岡田外相コンビは、オバマ大統領に対して「ハーグ条約批准」を約束させられる、そんな取り引きがあるのかもしれません。また、訪日を意識してサボイ元容疑者を釈放したのではと言われても仕方がないと思います。これは大変な問題です。私は、諸制度を十分に整え、移行措置を考慮した上でハーグ条約批准を進めることには賛成ですが、今回のやり方には危機感を覚えます。

 まず、クリス・サボイ元容疑者を不起訴にしたにも関わらず、元妻に対する逮捕状の取り下げは呑ませていないという問題があります。この男性の場合は、恐らくは共同親権の得られない日本での離婚訴訟を忌避するために、元妻と子供を騙すようにしてテネシーへ連れて行き、突然離婚を切り出しているようです。ということはこの母子の居住国は日本であり、日本に戻すのが筋なのです。事件の全体像として、元妻がテネシー当局から重罪犯として逮捕状を執行されている理由はありません。この逮捕状を取り下げさせることなしにサボイ元容疑者を釈放したというのは、まるで明治の不平等条約の時代を思い起こさせます。外交としてあってはならないことだと思います。

 もう1つは、報道を通じて千葉景子法務大臣の一連の発言を調べてみますと、「ハーグ条約批准は親権の問題ではない。子供の幸福を優先に考える」として、民法改正をしないでハーグ条約批准を模索しているという姿勢が見て取れるのです。一部の報道によりますと、ハーグ条約を批准するために、次のような措置が検討されているようです。まず政府が窓口となり、子を連れ去られた親から申し立てを受けます。そして、裁判所の審査を経て、子を返還すべきだと判断した場合は連れ去った親に「返還命令」を出す流れ、だというのです。この体制を整えるためには、国家行政組織法改正や、裁判所が返還命令を出すための新たな特別法の制定が必要であり、それには2011年までかかるというコメントも出ているようです。

 冗談ではありません。「子を返還する」とはどういうことなのでしょう。この「子」というのは日本国籍を有する日本人なのです。日本人を外国に「返還する命令」というのは、一体どういう理屈なのでしょう。

 どうしてそうなるのかというと、日本の制度では共同親権は認められないし、また面会権の強制もできないからです。ですから、国際間の離婚紛争が起きた場合は「日本での民事法廷で離婚調停はできない」ことが前提になっているのです。できないものはできないのだから、日本人の親の方も外国で誠実に離婚調停をやって来なさい、その上で日本政府としては外国の離婚調停を尊重するので、万が一それに背いて日本に子供を連れ帰る事例があれば審査して、悪質なら(外国側が納得できないなら)子供を外国にいる親の方へ送致する、つまりはそういうことだと思います。

 千葉法相は恐らく、外国人の親の側に家庭内暴力や養育能力の問題があるような場合は「ケースバイケース」で拒否すれば良いと考えているのでしょう。子供の幸福云々という発言からは、そうした雰囲気が見て取れます。「政府の窓口機関」でそうした問題に判断を加えれば良いという気配です。私はこれでは実務的に回らないと思います。恐らく、そんな制度ができたら、アメリカ人の親の側は弁護士と外交ルートを使って圧力をかけて、やりたい放題になると思います。DVの証拠が明白で危険を回避するために日本へ避難したケース以外は、アメリカで裁判をしないで来た親、アメリカの判決に背いて帰国してしまった親のケースに関しては、ほとんどの事例(アメリカの国務省によれば現時点で145例あるそうです)で子供をアメリカへ取られてしまうでしょう。

 とにかく「返還」するのですから、今度は母子の間は引き裂かれることになります。日本国内には共同親権や、面会権の強制は制度としてないからです。となれば、母親は泣く泣く海を渡るしかありません。これでは、現状の改善にはほとんどなりません。「アメリカに戻す際には日本政府が強制力を持ってやってくれるから」ということで、共同親権や父親側の面会権を保証するためにアメリカに縛られている母子が「一時帰国」できるようになる、その程度でしょう。根本的な解決ではありません。

 とにかく、国際離婚の場合に日本で離婚調停が受けられるようにすべきです。その際にDVや養育義務不履行などの問題も、日本の法体系で制裁が可能であり、悪質な場合は刑事犯として処断する一方で、場合によってはハーグ条約に基づいて「略取された」日本人の子供を外国から奪還することができるようにしなくてはなりません。千葉法相は、何を考えているのでしょう? 夫婦別姓だけでも保守派との対決が面倒なのに、離婚法制まで手をつけたら民法改正が全部がダメになると思い詰めているのか、それとも共同親権制度を入れたら「悪い父親が子供に悪影響を与えるので、母親の権利の立場から反対」と思っているのかは分かりません。いずれにしても、法相の一存で「親権の問題ではないと理解しています」などと言うのは、余りに一方的です。

 男女共同参画を言うのなら、戦後続いた「父親達による集団ネグレクト」は緊急避難的なものとして見直しをかけ、父子の関係を母子と同等にする文化を育てるべきだと思います。その上で、仮に不幸な離婚のケースにおいても、共同親権や面会権を通じて父子の絆は最低切れないようにしてゆくことは、何も欧米の文化に屈したことにはならないのではないでしょうか。離婚に至るケースだけでなく、一般論としても、母系制や父系制の束縛から離れて、個としての親と子の良好な関係を通じて子の自尊感情を育むというのは、欧米化ではなく、もっと自然な社会の変化だと思うのです。

 そこまで大上段に振りかぶらなくても、少なくとも制度はそうした価値観を許容するようアップデートすべきです。それをしないことが文化的独立だと思い込むことで、却って諸外国から屈辱的な扱いを受け、しかも言われるままにそれに甘んじるというのは、やはり間違っていると思います。

日本にも無縁ではないブラジルとアメリカの親権争い


日本にも無縁ではないブラジルとアメリカの親権争い

2009年06月10日(水) 冷泉彰彦(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。

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 先週、私の住むニュージャージー州では、1人の男性がブラジルから戻ってきて怒りの記者会見に臨んでいました。男性の名前はデビット・ゴールドマン氏といって、ブラジルに住む一人息子を取り返そうとして果たせなかったというのです。ゴールドマン氏の妻はブラジル人でしたが、その妻は現在8歳になる息子のショーン君が4歳の時に、ゴールドマン氏をアメリカに残したまま、「実家に帰省してくる」と言ってブラジルに向かいました。

 直後にゴールドマン氏にはブラジルから連絡があり、妻は「もう私たちの結婚は終わった。ショーン君は自分が育てる。親権を放棄する旨の書面に署名しない限り、ショーン君には会わせない」と一方的に通告したのだそうです。ショーン君の母親は、ブラジルの法律に従ってゴールドマン氏と離婚して、別の男性と結婚したのですが、その男性との子供を分娩中に不幸にも亡くなったのでした。ゴールドマン氏は、自分だけがショーン君と血のつながった親なのだから自分に親権があるべきで、ショーン君を返してもらいたいと法廷闘争に訴えたのですが、ブラジル最高裁はゴールドマン氏の訴えを認めなかったのです。ショーン君は、現在はブラジルで母親の再婚相手の男性に育てられています。

 この問題はメディアで大きく取り上げられ「アブダクション(拉致)」事件として注目を浴びています。更にゴールドマン氏を支援している下院議員を通じて政治問題化しており、国務省も深刻な問題として取り上げています。この問題を解決するために「ブラジルとの貿易に関税を設定して経済制裁を」という動きすら出てきているのですが、それだけアメリカ社会としては真剣な扱いがされているということだと思います。

 この問題は実は日本にも無縁ではありません。国際結婚が不幸にして離婚という形を取った場合に、アメリカの裁判所で親権がどちらに(あるいは双方に)あるかを確認する前に、子供を日本に連れ帰ってしまう例がかなりあるのだと言います。この問題については、アメリカの国務省はかなり神経を尖らせており、対応を間違えるとブラジルとのような国家間の問題になりかねないのです。問題を複雑にしているのは、国際法の枠組みです。国境を越えて親権の争いができた場合の処理に関しては、ハーグ条約という国際法で取り決めがあるのですが、ブラジルの場合はこの条約を批准しています。ハーグ条約に入っていながら、国内法を優先してショーン君を返さないということになっているのです。

 ところが日本の場合はこの条約を批准していません。しかも、条約を批准していない国の中で、アメリカから見ると最も多くの事例を抱えているのです。カナダからも外交ルートで同様のクレームが来ているようです。ですから、仮にブラジルのショーン君の問題がアメリカで更に関心を呼ぶようになって、日本との間でも多くの問題を抱えていることが広く知られるようになり、その結果、アメリカの親が政治家などを使ってくるようだと、大変なトラブルに発展する可能性を秘めているのです。

 では、どうして日本はハーグ条約を批准していないのか、日本とアメリカの間で(100件以上と言われています)親権の争いが起きるのかというと、それは日本とハーグ条約の締結国との間で社会慣習に大きな差があるからです。簡単に言うと、日本の場合は、(1)両親が離婚した場合に親権はどちらかに行ってしまい、共同親権というシステムはない。(2)子供は母親が育てるものという観念が強く、父親側が親権を獲得するのが難しい。(3)親権のない方の親には面会請求権があるが、親権を持つ親がない方の親に会わせない場合の罰則規定が弱い。(4)親権のない方の親が再婚した場合、その後は子供との面会をしない、させないという慣習が大なり小なりある、といった問題があります。これはハーグ条約の精神には反するのです。

 私は、こうした人情の機微に関わる問題を「外圧」に翻弄されながら受け身的に決めるのには反対です。それでは人や社会の自尊心はどこにあるのかということになるからです。また、この問題は渡航移植の自粛を求めるWHOの指針案に押し出されるように改正をしなくてはならなくなった臓器移植法の問題に似ていますが、臓器移植法よりも更に複雑な問題を抱えています。共同親権の導入(ハッキリ言えば、子供が一定期間毎に父親の家と母親の家を行ったり来たりするシステムです)や、面会請求権違反への罰則規定(欧米では、会わせないということが、誘拐罪とされて親権を喪失する可能性があります)といった問題は、広い範囲で関連法の改正を要求するからです。

 というわけで非常に大変な問題なのですが、受け身的ではなく積極的な人生観・家族観の変更をする中で、あるいは少子化対策の一環として離婚後の両親との関係という問題を世界標準に近づけてゆくことは必要だと思います。そしてハーグ条約を批准して、アメリカやカナダとの外交問題を回避することは、やはり日本にとって必要なことだと思うのです。この点から見ても、ショーン君の問題は日本にとって、全く他人事ではありません。

子ども連れ去り「米→日本23件」

日本経済新聞

子ども連れ去り「米→日本23件」 ハーグ条約に関し米調査 2010.6.3夕刊

 米国務省はこのほど、国際結婚の破綻に伴う親権問題解決のルールを定めた「ハーグ条約」の遵守状況に関する年次報告書を発表した。2009会計年度(08年10月?09年9月)に一方の親が米国から日本に連れ去ったとして相談があったケースは23件。前年に比べ14件減った。同省は日本など同条約の未加盟国に加盟を求めている。
 09会計年度の米国から他国への子供の「連れ去り」は合計1135件で、前年より53件増加。メキシコへの309件が最多で、日本は7番目に多かった。逆に他国から米国への「連れ去り」も324件あった。
 日本は主要7カ国(G7)の中でハーグ条約に唯一加盟していない。米欧諸国は日本に早期加盟を求めている。(ワシントン支局)

International Child Abduction Prevention Act July 16.2009



Rep. Chris Smith (R-NJ) held a press conference on Thursday, July 16 at 10:30 a.m., to unveil the International Child Abduction Prevention Act of 2009 in front of the U.S. Capitol Building, with a group of Members of Congress who have co-sponsored the bill. David Goldman, the father of kidnapped American child Sean Goldman being held in Brazil, as well as other left-behind parents were also in attendance.

The bill would create an Office of International Child Abductions, and create the position of Ambassador-at-Large for International Child Abductions. The legislation sets sanctions for nations who are in violation of the Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction, and would require the new office to assist left-behind-parents, even if the foreign countries involved are not signatories of the Hague Convention treaty.

外務省のアンケート

朝日新聞 2010年5月26日7時27分

 岡田克也外相は25日、国際結婚に破れた親が相手に無断で子供を自国に連れ帰った場合、子を元の居住国に戻すことなどを定めた「ハーグ条約」をめ
ぐり、当事者の親らにアンケートを実施すると発表した。早期加盟に向け、実態を把握するのが狙い。


「国際的な子の奪取の民事面に関する条約(ハーグ条約)」に関するアンケート

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